穂高岳山荘(2983m)

2006・10・7〜10・8

北アルプス

 

〜1日目〜

上高地〜明神〜徳沢〜横尾〜本谷橋〜涸沢〜穂高岳山荘

過去2年 この時期は 秋の涸沢でテント2泊で紅葉を楽しみながらの登山をのんびり楽しんだ。

今年は・・・ボクらの未踏の地 南アルプス南部の山域を2泊3日で縦走しようと 以前から計画していた。

予想外の雨に・・・南ア山行を断念

急遽1泊2日の北ア山行に変更したのだけれど・・やはり 予報はイマイチの状況・・・

今回の目的は 秋の涸沢詣ではない。

前穂高岳3090mの登頂である。

予定コースは

1日目・・・上高地〜明神〜徳沢〜横尾〜本谷橋〜涸沢  

〜穂高岳山荘

2日目・・・穂高岳山荘〜奥穂高岳〜紀美子平〜前穂高岳      〜紀美子平〜岳沢ヒュッテ〜上高地

(但し 天候が良くならなければ 2日目の予定は奥穂だけにして

危険な吊尾根から前穂はキャンセルして 1日目のコースで下山する予定)

 

10月6日金曜日 沢渡中の第2駐車場に入り 仮眠する。

沢渡は雨が上がって 雲の切れ間から中秋の月が見える。

明日から 天気が回復しそうで・・o(^ー^)oワクワク  

 

10月7日土曜日 朝5時30分のバスで上高地へ入る。

空は雲でおおわれているものの雨は降っていない。

天候の回復を期待しながら 6時20分 上高地を出発!

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6時20分 上高地 河童橋を出発

小雨が時折降るがレインウェアは

不要・・ザックカバーだけでOK。

今回は小屋1泊ということで

ザックが軽いので 順調に歩く。

6時50分 明神

7時28分 徳沢

8時12分 横尾に到着

ここで小休止して

8時30分 横尾大橋を渡って

いよいよ 登りの登山道に入る。

8時30分 横尾を出発

屏風の頭を巻いて 本谷橋を通り過ぎて 急登に入ると 登山道脇の木々は キレイな紅葉。

周りの景色も 色とりどりの紅葉の美しさに 目を奪われる。

これは・・・今日の涸沢 もしかして 紅葉で 真っ赤に燃えてるかも?

o(^ー^)oワクワク  

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10時39分 涸沢ヒュッテに到着! (すごい! 今年は上高地から4時間20分で着ちゃった!)

紅葉は期待したほど 真っ赤に燃えていなかったけど

それでも場所によっては・・・・

赤 黄 緑 鮮やかな色合いが目を楽しませてくれる。

ただ・・・・涸沢は 物凄く風が強く寒かったぁ〜

防寒にレインウェアを着こんで

涸沢ラーメンを注文して昼食に・・・

あまりにも風が強く寒いので ラーメンがすぐに冷めちゃったよ・・・。

食後の涸沢コーヒーも・・・冷めるのが早過ぎだぁ!

この時間 まだテントの数も少なく ヒュッテ売店付近にいる人も数人で

なんか 閑散とした 光景に ちょっと拍子抜け

 

(後で聞いた話ですが

 金曜の夜は ガラガラで ほとんど一部屋貸切状態で泊れたそうです。

この日 土曜日は ヒュッテと涸沢小屋合わせて1000人だったそうです・・・。)

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11時15分 涸沢を出発

風が かなり強く寒いので

これから登るザイテングラード注意が必要だな。

そんなことを 考えながら 11時15分 涸沢ヒュッテを出発!

前回 ザイテングラードには 涸沢小屋脇から登ったが

今回は 涸沢ヒュッテ横からのパノラマコースを登ってみた。

こちらのコースの方が・・キツイな・・・・

上高地から4時間ほどで歩いてきて ヒュッテで休憩しちゃったので

余計キツく感じるのかな? ふくらはぎが張ってるのを感じるよ。

でも・・・雪渓を渡って歩くこのコース 紅葉もキレイだし

今まで見たことのない角度で見る涸沢は 新鮮だった。

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ザイテングラード手前で涸沢小屋からの登山道と合流して ザイテングラードを目指す。

ザイテングラードを登り始めると 強風に加え小雨が降ってきた。

高度を上げていくと 小雨がみぞれに変わり 更に 雪になった。

登るのを諦めて涸沢に撤退を考えたけど・・・・

降りてくる人達が 「明日は 快晴 楽しみですね〜」・・って

その言葉と今夜の涸沢の混雑を考えると・・・

ここから 下り返すのは・・・ 下る方が 凍ってると怖いし・・・

結局 登りきってしまいました。

途中 後から追いつかれた 新潟から来たという単独の女性が

「さっき目の前で目の前で滑落を見ちゃった。」・・って

登山道でないトコをスニーカーで登っていて

岩と一緒に落ちたようです。・・・無茶するなぁ・・・

ここからザイテングラード

ザイテングラードを登っている時は 天候が悪かったのでカメラはザックの中

写真は撮ることは出来なかったけど・・・・。

今回は ツエルトを買って 持ってきてはいるけど・・・

ま まさか使うことに・・・・・・???

 

穂高岳山荘に到着すると 山荘前の石畳のテラスには 薄っすらと雪が積もっていて

山荘脇の奥穂への登り口の岩は もう凍っていて 下山者が慎重に下ってきていました。

山荘前の石畳

奥穂から下山してくる人がいます

13時56分 穂高岳山荘到着!

早速 受付をしていると

さっきの女性が

「奥穂登ってきます」って

行っちゃった・・・・・。

マジかよ〜〜〜

 

ボクらの部屋は「浅間山」

小屋はけっこう満員に近い状態

みんな ロビーの

ストーブの前で雑談していました。

時間の経過とともに どんどん雪が激しく降り 外を見ると 既に積もり始めていた。

明日 晴れても もう前穂へは無理だな・・・吊尾根や重太郎新道は危険すぎる。

あっさりと今回の目的 前穂登頂は諦めました。

っつーか このまま積もったら・・・・・・・明日 下山できるのかなあ???

不安になってきました。

みんな同じように不安そうにストーブの前で暖を取りながら雑談していました。

ボクもいろんな方と雑談して 時間を過ごしました。

山荘前にも雪が積もりました

夕方 西穂から縦走してきたというカップルが雪だらけで着きました。

いかにも山男・山女の様な若い二人組でした。

途中 ロバの耳で4人のパーティを抜いてきたとの話に

みんな この時間に まだ到着していないそのパーティのことが

心配になりました。

暫くすると 山荘に常駐している県警山岳救助隊の人達が

慌しく動くようになりました。

ザイテングラードでの滑落事故で 

いろいろ情報を無線で収集しているようです。

(翌朝 山岳救助隊の人に聞いた話で ザイテからの滑落事故

3件もあったそうですが 全員 命に別状はないとのことでした。)

そして・・・ついに・・・みんなが心配していたことが・・・

「ジャンで4人立ち往生! 降りれなくなってるって! 念のため すぐに出れる準備をしておけ!」

無線機を持った山岳救助隊の隊長が 叫んだ!

「ジャンのテッペンじゃあ 隠れるトコもないし ビバーク用品もないらしい。 行くぞ!」

暫くして 準備をした隊員が出かけて行きましたが すぐに戻ってきました。

奥穂にも この時間(外は 真っ暗)凍っていて 登ることは危険で 戻ってきたようです。

結局 翌朝 ヘリで捜索隊を出すことになったようです。

 

<雪は ともかく 低気圧の影響で天候が悪いのは判っていて

なんで 危険な西穂〜奥穂の縦走 やるのかなぁ??>

 

待ちに待った夕食

17時30分 夕食の時間です!

一日 長い距離を歩いて

待ち遠しい美味しい夕食です!

 

夕食後 外に出てみると

冬のように

雪がキレイに降っています。

山荘入口の雪は

こんなに積もってきました。

明日の下山は・・・???

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明日 下山できるかどうか??・・・もう みんなの関心はその1点になってきたようです。

夕方の天気予報の時間 みんなテレビの前に集まって 固唾を呑んで観ました。

「明日の朝から 天候は回復 晴れるでしょう」・・・の予報に

みんな安心したように歓声が。

でも・・・朝から晴れても この雪じゃあ・・・・・・???

ボクらのレベルで 下ることが可能になるのは 午後からかなぁ?

上高地脱出は 無理かも・・・どこかで もう1泊しなければ・・・・

ちょっと・・・・不安が

まあ しょうがない・・・・・・自然の力には勝てないから

 

と またも救助隊隊長の声が聴こえてきた。

「吊尾根で教員夫婦が立ち往生!」

またか・・・・・・・

ケイタイで救助を求めてきたようで 今夜の救助は無理なので 明日の朝まで

風や雪から身を隠す場所を見つけて 頑張って 明朝7時に 電話連絡入れるように指示したようです。

 

この時期 3000m峰は やっぱり天候の変化が極端で 怖いですね〜

数年前にも 10月半ばに大雪で 何人か亡くなったニュースを聞いたけど

まさか自分が登っているこの時期に こうなるとは・・・。

一応 アイゼンやツエルトは持ってきているけど・・・・・どのくらい降るか見当つかないし

 

山岳救助隊の人と 話す機会があったので

「この時期 雪が降っても おかしくないけど・・・これほど たくさん一気に降るのは珍しい。」

との ことでした・・・・。

 

当たっちゃった!・・・かな