鳳凰三山
薬師岳・観音岳・地蔵岳・高 嶺
2780m 2840m 2764m 2779m
2012・10・6〜7
山梨県南アルプス市
〜1日目〜
夜叉神峠登山口〜夜叉神峠小屋〜杖立峠〜苺平〜南御室小屋
〜砂払岳〜薬師小屋〜薬師岳〜観音岳〜鳳凰小屋
昨年9月の3連休に ずーっと歩きたかったルート 夜叉神峠⇒鳳凰三山⇒アサヨ峰⇒北沢峠 テント2泊3日の行程を実行に移そうとしたが 前日の大型台風で 道路の崩壊で芦安までも行くことができず あっさり敗退。 今年こそ! ・・・と年頭より計画していたが 今年前半は山から遠ざかり 先月の西穂テント山行で かなりの体力低下を実感。 急遽 ルートを短縮し 1泊のテント山行で 鳳凰三山にトライしてきた。
5日20時に自宅を出発。 24時前には夜叉神登山口駐車場に到着。 まだ 駐車場は ガラガラだった。 |
クリックすると大きくなります |
||
夜叉神登山口 |
朝5時に起きると 駐車場は 満車状態になっていた。 更に 広河原行のバスや乗合タクシーがやってきて けっこう 賑やかになっていた。
6時 夜叉神登山口を元気にスタート! 陽のあたる急登を汗をかきながら登って行く。 今日は テント装備だが ザックを軽くしてきたので いい調子で登って行く。 先行者を追い抜いて登る。 |
陽のあたる登山道 |
|
6時55分 夜叉神峠(1770m)に到着。 夜叉神小屋が建っているが営業はしていなかった。 小休止して 出発しようとすると 正面に見えている白鳳三山に 朝日が当たって みるみるうちに 明るくなってきた。 キレイだ♪ 7時5分 杖立峠を目指し歩き出す。 |
朝日を浴びる白鳳三山(農鳥岳・間ノ岳・北岳) |
||
夜叉神峠(1770m) |
夜叉神小屋 |
||
夜叉神峠から杖立峠までのコースタイムは ボクの地図では1時間50分。 樹林帯の中 汗を拭き拭き 登って行く。 ・・・けっこう急登だ。 1時間ほど 登った所で 小休止・・・・気合を入れなおして 再び歩き出す。
あれっ? 歩き出してすぐ杖立峠に着いちゃった・・・? 8時18分 杖立峠(2180m)に到着。 そして 標識に「苺平まで2時間40分」と書いてあった。 えっ? ボクの地図では 1時間50分になってるのに??? |
杖立峠(2180m) |
||
だんだん紅葉が始まる |
白鳳三山がキレイに見える |
8時20分 苺平を目指し歩き出す。 1時間ほど歩いた所に 眺望の利く場所があり 白鳳三山がキレイに見え 以前歩いたルートが 懐かしかった。
あれ? ここの標識では・・・・ 「苺平まで40分」になってるぞ。 なんか・・この辺の標識 いい加減だなぁ・・・。 |
|
このあたりから徐々に紅葉が始まった木が多くなってきた。 今年は 紅葉の時期が だいぶ遅れそうとの情報に 紅葉は期待していなかったので ちょっと うれしい♪ |
|||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
9時50分 苺平(2524m)に到着。 9時56分 今日の幕営地 南御室小屋を目指し歩き出す。 | |||
苺平(2524m) |
苺平まで 急登を登ってきたのに・・・ ここからは ひたすら下り始める。 もったいないなぁ・・・・
10時20分 南御室小屋(2420m)に到着。 今日は ここでテントを張る予定だったけど・・・ まだ10時20分だよ・・・・┓(´_‘)┏ |
南御室小屋(2420m) |
|
この時間から ビール飲み始めるわけにもいかないし・・・・ ここで 早めの昼飯を食べて 鳳凰小屋まで行くことにしよう! そうすれば・・・明日の行動時間に余裕ができるし・・・。 |
|||
急登が続く・・・ |
10時55分 南御室小屋を出発し 薬師岳を目指す。 南御室小屋裏手から いきなり急登を登るが 紅葉がキレイで なんか 感動的な世界・・・・・。 樹林帯を抜け 砂礫の砂払岳の登りになると・・・ガスで真白い世界になった。 山頂(2740m)から 眼下に 黄色に付いた林の中に薬師岳小屋がみえた。 ガスで薬師岳山頂が見えないのが残念だが かなり感動的な 景色だった。 |
||
紅葉がキレイになってきた |
砂払岳への登り |
紅葉の中に薬師岳小屋 |
|
12時4分 薬師岳小屋(2720m)に到着。 小さな小屋の前も 見事な紅葉♪ 小屋から10分の薬師岳山頂こそガスで見えないが この紅葉の中にいるだけで 疲れが癒される。 ここに素泊まりもいいかと 一瞬 考えたけど・・・ まだお昼だし・・・やはり鳳凰小屋の幕営地まで がんばろう! レ(゜゜レ) |
薬師岳小屋(2720m) |
紅葉がキレイな小屋 |
|
12時15分 薬師岳小屋を出発し 薬師岳山頂を目指す。 歩き始めから 予想外の見事な紅葉に目を奪われ 写真を撮りながら登って行く。 |
|||
小屋から山頂へ |
途中 写真撮りまくり |
赤・オレンジ・黄・緑 |
予想以上に見事な紅葉 |
ガスの中 山頂が見えた |
ガスの中に徐々に山頂が薄らと見えてきた。 12時25分 薬師岳(2780m)山頂に到着。 周囲は・・・・真っ白! 岩も砂礫も白い山頂の周囲も ガスで真っ白! 眺望 全くナッシング! ┓(´_‘)┏ 少し冷たい風が吹き始めてきた山頂。 長居は無用か・・・ 12時30分 薬師岳山頂を出発し 観音岳を目指す。 |
薬師岳(2780m)山頂 |
|
目指す観音岳はガスの中 |
ガスの中 砂礫の登山道 |
ガスで視界が悪くなってきた。 紅葉のキレイな場所と 植物の無い岩と砂礫の場所。 幻想的な世界になってきた・・・。 雨だけは・・・降るなよーッ! すれ違う人の数も 先行者の数も 少ない・・・。 人気の山のハズなのに・・・・。 天候のせいなのかなぁ??? |
|
13時 観音岳(2780m)山頂に到着。 鳳凰三山の中で一番高い山頂だ。 山頂には 先行者が1人くつろいでいた。 ガスが流れて眺望が利いたり ガスの中に消えたり その繰り返しを楽しんでいるという。 地蔵岳へ続く稜線もガスの中・・・。 ボクらも10分ほど ガスがとれるのを待ったけど・・・ |
観音岳山頂が見えた! |
観音岳(2840m)山頂 |
|
ガスは流れてはいるけど 次々にガスが流れてきて いっこうに稜線の先が見えそうにない。 山の斜面の紅葉も 太陽の光が無いので ちょっと暗く感じる・・・残念。 |
|||
地蔵岳へ続く稜線 |
青空なら もっと紅葉がキレイなんだろうな・・・ |
||
見事! パッチワーク紅葉 |
13時10分 観音岳山頂をあとに鳳凰小屋を目指す。 ガスで視界が更に悪くなる中 稜線の鞍部まで下る。 鞍部の砂礫地帯から 右に折れて 鳳凰小屋へのショートカットコースを下る。 細く荒れた急な下り斜面のコースを慎重に下る。 稜線に近い所では 見事な紅葉に急な下りも苦にならなかったが 標高が下がるにつれ 暗く滑りやすい湿った下りになり だんだん疲れがピークに達してきた。 (* ̄0 ̄)/ ファイトォ! |
||
ここから鳳凰小屋へ下る |
ガスの中の紅葉 |
金色に輝く中を下る |
|
やっと鳳凰小屋が見えた! 色付いた木々のなかにポツンと建っている 赤い屋根の小さな小屋・・・テラスが印象的。 最後にハシゴを下って 沢に下り 沢を渡る。 14時7分 鳳凰小屋に到着! 夜叉神登山口を出発してから 8時間7分。 久しぶりに 長い距離を歩いたなぁ・・・・。 さぁ! 冷たいビールが待ってるぞォ! o(^ー^)o |
見えた! 鳳凰小屋 |
沢を渡って・・・あともう少し |
|
鳳凰小屋(2382m) |
先ずは鳳凰小屋の前でテント泊の受付(一人800円)。 今日は混みそうなので 張る場所を指定するそうだ。 「ビールが足りないので 早い者順・・・1人1缶で」 (。-_-)ん? 一瞬 耳を疑う言葉が聞こえてきた。 何言ってんだ・・・このオヤジ! しょうがないので ぬる〜い缶ビールを買って テント場へ・・・テントを張る位置を指定される。 ボクらは まだ早い方だったので 奥の角地に張れた。 |
ホテル鳳凰三山! |
|
![]() テントとテントの隙間ナシ |
紅葉に負けない彩り |
張綱禁止・・・ペグは垂直に打つこと。 隣のテントと隙間をあけない事。 そんな注意事項を聞かされ テント設営。 今夜のホテル「鳳凰三山」の出来上がりである。 ぬる〜い缶ビールを飲み干しテントの中へ! 再び外に出ると すごい事になっていた。 脚の踏み場もないテント場・・・・。 こりゃぁ・・・・トイレに行くのもたいへんだぁ。 |
|
せっかく枝豆をつまみに持ってきたのに・・ もうビールが手に入らない・・・┓(´_‘)┏ しょうがないので ボクは持参したウィスキー ワイフは小屋でパックの日本酒を買ってきて テント内で お疲れ〜らいす♪ (⌒^⌒)b。 ( ^_^)/□☆□\(^_^ )カンパ―イ まぁ いいか・・・・ 30分ほど遅く来た人は ビールを買うこともできなかったようだ。 |
セブンイレブン食材で・・ |
今宵の夕食 |
|
夕方 早めに食事を摂る・・・・アルファ米の上にセブンイレブンで買ってきた冷蔵食品の チキンステーキとロールキャベツを載せて・・・いっただきま〜す♪
久々に長い距離をテント担いで歩いて 心地よい疲れに 早々と就寝。 陽が沈んだあと 雨がテントを叩く音で目が覚める・・・けっこう降っているようだ。 Σ( ̄ロ ̄lll) 明日 雨 上がってるかなぁ・・・。 |
〜2日目〜
鳳凰小屋〜地蔵岳〜アカヌケ沢ノ頭〜高嶺
〜白鳳峠〜白鳳峠入口〜広河原・・・(乗合タクシー)・・・夜叉神峠登山口
夜中に何回か目が覚めるも 相変わらず雨が降り続いている。 マイッタナぁ・・・・これじゃあ トイレに行くにもカッパを着なければ行けないじゃん。 朝 この密集地帯で 雨の中テントを撤収するのは どうしたらいいかなぁ? 朝のトイレは カッパ着て 雨の中行列ができるんだろうなあ・・・。 そんなことばかり考えては 眠りにおちる夜だった・・・ (*’-’*)アハハ♪。 4時前から テント内で簡単な食事を済ませ ザックの荷造りを終え カッパを着て トイレの列に並ぶ。 ラッキーなことに 今朝は雨のせいか みんな行動が遅いようで スムーズにトイレを済ませ テントの撤収にかかる。 |
|||
ビショ濡れのテント キレイにたたまず 丸めてザックの中へ。 雨を吸って かなり重くなっているフライシートは ザックの背中に括り付ける。
5時32分 雨降る中 ヘッデンを点けて 鳳凰小屋を出発。 小屋の横から暗い林の中を登って行く。 蒸し暑い・・・・キツイ登りに感じる。 昨日の疲れか・・・足が重い・・・・ レ(゜゜レ) がんばれ! 俺! ペースが上がらないまま がんばって登る。 |
蒸し暑い森林帯の登り |
||
雨の砂礫は滑る |
だんだん明るくなり 林を抜けて砂礫の斜面に出る。 雨水を含んだ砂礫の斜面は 滑りやすく登りにくい。 雪の斜面を登っている感覚に似ていた。 正面に地蔵岳のシンボル 尖ったオベリスクを目標に 頑張って登って行く・・・なかなか近づけない山頂だ。
6時38分 オベリスク直下に到着! 雨は霧雨程度になっていた。 |
振り返れば 紅葉 |
|
オベリスク直下に到着 |
オベリスク |
雲海に浮かぶ甲斐駒ヶ岳 |
|
ザックをデポして オベリスクに登って行く若者が 何人かいたが ボクは 雨で滑りやすいし やめた。 周囲の眺望は・・・というと 雲海の上に甲斐駒ケ岳が見えただけ・・・・。 天気 悪すぎだよ〜! 賽の河原に下ると 多数のお地蔵さんがあった。 その近くに 地蔵岳山頂の標識があったので ここでオベリスクをバックに記念撮影! |
賽の河原 |
地蔵岳(2764m)の標識 |
|
アカヌケ沢ノ頭 通過 |
7時 賽の河原を出発。 アカヌケ沢ノ頭へと登る。
7時9分 稜線上のアカヌケ沢ノ頭に到着。 ここから観音岳方面行く人は 左に。 高嶺から白鳳峠を目指すボクらは右へと進む。 圧倒的に左へ折れていく人が多い。 ガスで視界の利かない岩場のアップダウンを ゆっくりと高嶺を目指して進む。 |
いくつかのピークを越えて |
|
高嶺(2779m)山頂 |
滑りやすい急な岩場を下る |
ガスで視界の利かないが 雨は上がったようだ。
7時54分 高嶺(2779m)山頂に到着。 今回の山行の最後のピークだ。 当然 周囲は真っ白・・・なにも見えない。 それでも ここでしっかりと休憩し 8時15 白鳳峠に下山開始。 ここからは 急な岩場の下りになる。 |
|
雨に濡れた岩場の下りは慎重に・・・。 岩場が終わると 長いハイ松帯を下って行く。 周囲が ガスで全く視界が利かないので これからどのくらい下って行くのか見当もつかない。 時計を見ながら コースタイムと比べながら下る。 8時50分 白鳳峠に到着。 このまま真っ直ぐ行けば早川尾根だが 今回は ここで稜線から下ることになる。 |
ハイ松帯の下り |
白鳳峠 |
|
広いゴーロ地帯を下る |
8時55分 白鳳峠を左に下り 広河原を目指す。 最初 ガスで視界が利かない広いゴーロ地帯を下る。 浮石の多いゴーロ地帯の急な下りは かなり疲れた。 その後 ハイ松地帯を暫く下って 森林帯へ突入! これが また 湿って滑りやすい急な下りの連続で ┓(´_‘)┏。 いきなり・・・背後で ドテッ! ゴロゴロ・・ という音 振り返ってみると・・・・ |
ハイ松地帯を抜けて |
|
ワイフが両手を頭の上に伸ばした状態で 横向きになって斜面を転がって落ちて来る。 えっ!! (。-_-) ? 呆然と見上げるボク・・・・ボクが見てから 3回転ほどして止まった。 「何やってるんだ!」・・・ 「わからない・・・・・気付いたら 2回転ほど転がってた」 ヾ(^o^;)オイオイ ボクが 見ただけでも 3回転してたのに・・・・。 それでも 腕を擦りむいただけで 大きな怪我はなく よかった。 |
|||
ただでさえ急登と まるでアトラクションのような 場所が続くのに 雨で滑りやすくなっていて 危険地帯がつぎつぎと続く。 あとから下ってくるワイフを振り返って立って 待っているだけでも 両膝が震えだすほどの 疲労が脚に溜まってきた・・・・。 下りは・・・まだまだ続く・・・。 ガンバレ! 俺! (* ̄0 ̄)/ ファイトォ! |
長い急な下りが続く |
雨で滑りやすい鉄梯子 |
|
崩れかけt丸太梯子 |
雨で滑る1枚岩 |
崩れそうな橋 |
長い丸太梯子 |
眼下に 大きな沢が見え もうすぐ林道へ出るのかと思いきや・・・ ここから 更に 細く急な下りが続いた・・・・・┓(´_‘)┏ |
|||
白鳳峠入口 |
ワイフも無事 林道に到着 |
やっと 眼下に林道が見えた! 北沢峠行のバスが通った。 \(^o^)/バンザーイ!! 生きて生還で来たぞーッ!
11時5分 やっと白鳳峠入口に到着。 遅れて ワイフも無事下ってきた。 ちょっと長めの休憩をする。 |
|
ここからは 広河原バスターミナルまで 15分ほどの舗装された林道歩き。 | |||
広河原に到着 |
11時20分 広河原に向け 最後の力を絞って出発。 次の芦安行のバスは 12時30分くらいらしいから 充分 時間に余裕がある・・・ V(^0^)
11時37分 広河原に到着。 バス停に到着すると 乗合タクシーが数台停まっていて 運転手が声を かけてきた・・・もうすぐ出発できるけど 乗らないかと。 |
乗合タクシー |
|
料金は 芦安までと同じ1100円(バスは夜叉神まで900円)だけど あと1時間 バスを待つよりは・・・・200円高くても 乗合タクシーに乗ろう♪
無事 夜叉神に戻ってきた。 今回の山行は 天気がイマイチで 北岳が見えたのは 夜叉神峠と その後 1度だけ・・・。 あとは 全く眺望のない山旅ではあったが 期待していなかった紅葉が 予想外にキレイで 満足のいく山行となった。 V(^0^)
雨は 余計だったけど ・・・( ̄。 ̄ )ボソ... |